始まったばかりの法人ですので、私たちの思いがどこまで届くか、大きな期待だけを抱いています。
しかし、最初から目標は高く、プロとして掲げる納得のいく品質を目指してこれまでの実績と技術を糧にした誠実な対応を行ってまいります。
振り返れば設計事務所に入社して30年の月日が流れました。
その間、建築業界における技術の進歩や消費者ニーズは大きく変化していますが、建物の欠陥件数はこの30年間、減っていないのが現状ではないかと思います。
ようやくマスコミ等で不良住宅が叫ばれるようになってその実情がクローズアップされ、住宅を見極める消費者の目が進歩し、上手な選択をする皆様が増えたことで、表面的な欠陥は少なくなりました。
しかし見えない個所で質の低下が次々に起こっています。
長い年月で沈下の可能性があるにも関わらず消費者に説明しないなど、法律には抵触しないものの、最悪の事態の予測に目をつぶるように、消費者が分からない個所での手抜き設計も目立ちます。
このような事例は、施工面も含め数え上げればきりがありません。
服を買う時はブランドを調べたり試着もし、車を買う時はエンジンの馬力を調べたり、メーカーの信頼性を確かめたりするのに、消費者はなぜ住まいを買う時に徹底して検討しないのだろうか。
その手で確かめ充分納得して買うことなく、なぜ住まいを買う時だけは営業マンの言いなりになってしまうのか。
あるいは、耐震設計や、家族の成長に合わせたリフォーム、上質のインテリアの創造まで、なぜもっと気軽に消費者のニーズにお応えできる場がないのか。
こうした思いを同じにする建築家の有志が集って話し合いを重ねていくうちに、「住宅支援センター」の設立が現実のものとなり、私が有志の総意を代表して初代の代表に就任する運びとなりました。
消費者の皆様のよりよい住環境づくりのために、消費者の立場にたって相談や助言を行いたい。
「住宅に関するあらゆるご質問・ご相談に、プロの視点でお応えしていく」の思いを胸に、活動をスタートします。
特定非営利活動法人「住宅支援センター」理事長
上杉 章